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2020.02.19医師・歯科医師の確定申告から分かる節税方法

医師・歯科医師の確定申告から分かる節税方法


 2月に入り確定申告の季節になりましたね。ほとんどの方が確定申告を含め、お金関連のことは顧問の税理士の方に依頼されているのではないでしょうか。

 我々のお客様もほとんどの方がそうで、お金周りのことを自分でもしっかりと把握しておきたいという先生もいらっしゃれば、そこまで関心が無いという先生もいらっしゃいます。ただ、ほとんどの皆様が共通して抱えている問題として「支払う税金が高い」ということが挙げられます。

 税金対策をしていくうえで、確定申告を理解しておくことが重要になってきます。確定申告を理解することによって節税方法を学べるだけでなく、医院の経営状態を数字としてしっかりと把握できるようになります。また税理士の方からの報告やアドバイスもより理解できるようになるので、これからの医院経営を考えていくうえで建設的な議論を交わすこともできるようになるでしょう。

 したがって今回は、確定申告をこれまで詳しく見てこなかったり、以前は見ていたけど最近見ていなくてどんな感じだったかなといった方に向けて、確定申告書の見方や、どの部分がどうなれば節税につながるのか、などについてお話しできればと思います。


■確定申告とは


 確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの一年間の所得とそれに伴う所得税を計算し、申告と納税を行う手続きのことをいいます。所得税の計算方法はおおまかに以下のような流れになっています。

 ① 収入形態ごとの所得を計算し合計する
 ② 所得控除の計算
 ③ 各所得の合計から所得控除の金額を差し引く
 ④ ③の金額に税率をかけて税金を計算
 ⑤ 税額控除の金額を計算
 ⑥ ④-⑤で支払う税金を確定

 確定申告の方法には「青色申告」と「白色申告」の2種類があり、青色申告は白色申告と比べてより詳細に帳簿をつける必要があります。しかしその分「青色申告特別控除」を受けることができ、要件を満たせば税金を計算する際に所得から最大65万円を控除することができ、満たせない場合でも10万円を控除することができます。

 白色申告は主に給与所得者が行い、青色申告は個人開業医や、その年に事業所得、不動産所得、山林所得があった給与所得者が行います。青色申告を行うと65万円もしくは10万円の控除を受け取ることができ、65万円の控除を受け取るためには、「個人開業医や、事業を行っている給与所得者」かつ、「複式簿記を用いて帳簿をつける」といった要件を満たさなくてはなりません。そして、65万円控除の要件を満たさない規模の不動産業/事業を行っている人、もしくは65万円控除の要件は満たしているが事前の申請や期限内申告、複式簿記での帳簿付けができていない人に関しては、10万円の控除を受け取ることになります。

 個人開業医の方は事業として診療を行っているので、ほとんどの方が65万円の控除を受けることができているはずです。法人の理事長や勤務医の方であれば、不動産や太陽光発電などを、事業的規模で行われている場合などに、65万円の控除を受けることができます。

 2020年における申告期間は、2月17日から3月16日までの1ヶ月間となっています。


■確定申告に必要な書類


 確定申告を提出する際に必要となる書類は以下の通りです。

 ・確定申告書(AまたはB)
 ・所得税青色申告決算書又は収支内訳書 
 ・源泉徴収票
 ・マイナンバーカード等

 確定申告書Aは主にサラリーマンの方が利用し、医療控除などの還付申告など比較的シンプルな場合に用いられることが多く、確定申告書Bは詳細に帳簿を記載するものになるので、個人開業医の方は確定申告書Bを利用することになります。

 青色申告書を用いる場合は所得税青色申告決算書を付与しなければならず、白色申告書を用いる場合は収支内訳書を付与しなければなりません。青色申告決算書では主に所得税の集計を行い、損益計算書1枚、損益の明細書2枚、貸借対照表1枚から構成されます。


■確定申告書の見方


 確定申告書Bは図1ように第一表と第二表に分かれています。第一表では1年間の収入や所得、所得控除などが記載され、最終的な所得税額を確定させることを目的としています。第二表には第一表の詳細が記載されています。

確定申告書B【左:第一表、右:第二表】(参照:国税庁HP)図1:確定申告書B【左:第一表、右:第二表】(参照:国税庁HP)


 今回は確定申告の基礎ということで、図2の第一表をもとに確定申告の見方について説明します。

確定申告書B【第一表】(参照:国税庁)図2:確定申告書B【第一表】(参照:国税庁)



❶個人事業主の情報
 住所、氏名、性別、職業、屋号、マイナンバーなどの情報が記載されています。


❷収入金額等
 1年間の収入で、ア〜サまでの自分に当てはまる収入・所得が記載されています。所得には様々な種類があり、所得税法では10種類に分類されています(表1)。

10種類の所得表1:10種類の所得


 なぜ、このように10種類に分かれているのかといいますと、稼ぎ方によって税額に差をつけようという意図があるからです。例えば、退職所得は長年勤務した成果に応じて税負担が軽くなるようになっています。

 また上記の所得は「総合課税」と「分離課税」という2グループの税額計算方法に分類されます(表2)。総合課税は「各種の所得金額をひとまとめにして税額を計算する方法」で、分離課税は「ほかの所得とは合算せず別々に分けて税額を計算する方法」です。退職所得などの一時的に得た所得が大きい場合に、総合課税で計算すると所得税が大きくなってしまうため、これを避けるために分離課税が存在します。
 確定申告Bの第一表には総合課税のみを記載することになっているので、その年に申告分離課税の対象となる収入・所得がある場合には、第三表に記載する必要があります。

総合課税と分離課税表2:総合課税と分離課税



❸所得金額
 上記収入から必要経費を差し引いた所得が記載されています。①②③欄には別紙青色申告決算書に記された所得金額が転記されています。
 節税を行っていくうえでは経費をいかに計上するかが鍵となってきます。開業医の方であれば、人件費や水道光熱費、通信費や事務処理用のパソコン等備品購入費用、医院の建物や設備に係る費用などが主な経費となります。その他にもスタッフへの福利厚生や、法人をお持ちの方の場合は、生命保険を活用した退職金積立なども一部経費となります。


❹所得から差し引かれる金額
 所得控除の金額が記載されています。主な所得控除は以下の表3のようになっています。

所得控除一覧表3:所得控除一覧


 個人開業医の方が節税を行っていくうえで確認しておきたい所得控除は以下のようになります。


❑医療費控除
 医療費控除は、納税者本人または生計を一にする配偶者その他の親族の医療費を支払った場合に適用することができる控除です。「生計を一にする」とは日常でお金を共有している状態のことをいい、同居していなくとも、学費や仕送りを貰っている大学生などもその対象になります。1年間で自己負担した医療費が10万円を超えた場合に、その医療費から「保険金などで補填された金額」と「10万円」を差し引いた金額が医療費控除の金額になります。控除の対象となる医療費と、そうでない医療費があるので、医療費控除を活用したい方は是非一度調べてみてください。


❑小規模企業共済等掛金控除
 小規模企業共済等掛金控除とは、想定された共済契約・個人年金の掛金を支払った場合に受けられる控除で、掛金の全額が所得控除の対象となります。具体的には、小規模企業共済や経営セーフティ共済、iDeCo(個人型確定拠出年金)などの掛金が対象となります。小規模企業共済の掛金上限は84万円/年(7万円/月)、経営セーフティ共済の掛金上限は240万円/年(20万円/月)、iDeCoの掛金上限は最も多い方(個人事業主)で81.6万円/年(6.8万円/月)となっています。iDeCoの掛金上限に関しては、個人の属性によって異なるので、自分がどの属性に当たるのかを確認してみましょう。


❑生命保険料控除
 生命保険料控除は、納税者本人が生命保険や介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合に一定の金額の所得控除を受けることができるものです。生命保険料控除は、保険契約日によって制度が変わり、2011年12月31日以前に契約した保険は旧制度、2012年1月1日以降に契約した保険は新制度が適用されます。新旧制度での控除額はそれぞれ表4、表5のようになっています。旧制度では、各区分の最高控除額が一律5万円で2区分しかないため、最高控除額は10万円となります。対して新制度では各区分での最高控除額が一律4万円で3区分あるため、控除額は最大12万円です。

旧制度(所得税の生命保険料控除)表4:旧制度(所得税の生命保険料控除)


新制度(所得税の生命保険料控除)表5:新制度(所得税の生命保険料控除)



❑寄附金控除
 寄附金控除は、納税者本人が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対して「特定寄附金」を支出した場合に受けられる控除です。「ふるさと納税」は寄附金控除の対象となります。


❑扶養控除
 扶養控除は、納税者本人に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合に受けられる控除です。控除対象扶養親族となるのは以下の用件を満たす人です。また、扶養控除額の金額はそれぞれ表6のようになっております。

 1. 配偶者以外の親族(6親等内の血族、または3親等内の姻族)
 2. 納税者と生計を一にしている 
 3. 年間の合計所得が38万円以下(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
 4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていない

扶養控除額の金額(参照:国税庁HP)表6:扶養控除額の金額(参照:国税庁HP)※1 扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人
※2 控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の人
※3 控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が70歳以上の人
※4 老人扶養親族のうち、納税者又はその配偶者の直系の尊属で、納税者又はその配偶者と普段同居している人


 扶養控除の欄では被扶養者がアルバイトをしているかどうか、そして年収103万円を超えて扶養から外れていないかなど確認しておきましょう。


❺税金の計算
 この欄では税金の計算が行われ、見ておくべき欄は以下のようになっています。


❑課税される所得金額(㉖)
 「❸での所得金額の合計(⑨)」から「❹での控除額の合計(㉕)」を差し引いた金額、つまり「課税所得金額」が㉖に記載されています。


❑上の㉖に対する税額(㉗)
 所得税の計算方法をもとに算出された、所得税の金額が記入されています。


❑住宅借入金等特別控除
 この控除は、個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築取得又は増改築等をし、自己の居住の用に供した場合で一定の要件を満たす場合において、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等をもとに計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するものです。控除を受けるには、その年の合計所得金額が3,000万円以下であることが要件の一つとしてあるので、所得が3000万円を少し超えそうな場合は、申告し忘れている経費は無いか今一度確認したり、そもそも3000万円の所得がある方は法人化を検討できる段階にある場合が多いため、法人化して所得を下げるなどして、控除適用要件を満たせるようできないか検討されると良いでしょう。

 また2019年10月からの消費税増税に伴い、2019年10月1日から2020年12月末までに入居する住宅に限り、控除を受けられる期間が10年間から13年間に延長されたので、控除期間延長の要件に当てはまるかどうか一度確認してみてください。


❻その他・延納の届出
 この欄で確認して置きたい部分は、「専従者給与(控除)額の合計額(50)」と「青色申告特別控除枠(51)」です。


❑専従者給与(控除)額の合計額(50)
 専従者(家族従業員)がいる場合に記入する欄で、青色申告の場合は青色申告決算書に書いた専従者給与額が記入されています。白色申告の場合は、収支内訳書に書いた専従者控除額を記入します。専従者給与額は各々決められているとは思いますが、毎日受付をしている奥様の給与を100万円/年としたり、逆にほとんど医院に来ることの無い奥様の給与を900万円/年とするなど極端な給与設定をされている方も見受けられるので、専従者の働き方に対する適切な報酬額はいくらなのか顧問の税理士の方と話し合い、納得できない場合にはセカンドオピニオンとして、私たちにご相談していただければと思います。


❑青色申告特別控除額(51)
 青色申告者に適用されるている場合は、10万円又は65万円の控除額が記載されています。一定の要件を満たせば65万円、満たしていないが事業・不動産・山林所得がある場合は10万円の控除が受けられます。しかし2018年度の税制改正によって、2020年の控除額とその要件が変わりました。控除額はそれぞれ10万円、55万円、65万円となり、申告書などをe-Taxで提出するか、電子帳簿保存法に会計ソフトを用いることによって、最大控除額である65万円の控除を受けることができます。


❑延納届出
 資金繰りが厳しい場合など、所得税及び復興特別所得税の第3期分の納める税金を延納したい場合に記入する欄です。「所得税及び復興特別所得税の第3期分の税額」とは、予定納税(第1期分・第2期分の税額)を差し引いた金額のことです。

 以上が確定申告の見方の説明となります。


■まとめ


 今回は確定申告の基本的なところと合わせて、医師・歯科医師の方が見ておくべきポイントなどお伝えしました。普段あまり確定申告を見ない、もしくは当分の間見ていなかったという方は、これを機にぜひ一度確定申告を確認してみてはいかがでしょうか。支払っている税金が思っている以上に多かったり、申告し忘れていて本来受けられる控除を受けられていなかったりと、様々な気づきがあるかもしれません。そして今回お話した内容が、先生方のお役に立てれば幸いです。

 弊社では医師や歯科医師の先生方に向けた、今回ご紹介したような確定申告のことや節税の考え方であったり、リタイア後に向けた資産形成のコンサルティングを行っております。実際にコンサルティングを受けた方々の成功事例を多数所持しており、それらがまとまった資料を無料でお送りしておりますので、ご興味ある方はぜひ資料請求してみてください。また弊社では、セミナー・ウェビナーも行なっておりますので、お時間ある方はぜひお越しください。

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