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医師の生命保険控除を最大化する3つのポイント

多忙な毎日の中で、ご自身の将来やご家族の生活を守るために生命保険に加入されている医師の方は多いでしょう。しかし、その保険契約が持つ「生命保険料控除」という節税メリットを、十分に活用できているか確認したことはありますか?

生命保険料控除は、所得税や住民税の負担を軽減できる、医師の皆様にとって決して無視できない制度です。本記事では、この控除を最大限に活かすための3つのポイントを、具体的な事例を交えながら分かりやすく解説します。単なる節税対策としてではなく、賢く保険を選ぶためのヒントとして、ぜひご一読ください。

目次[非表示]

  1. 1.生命保険料控除制度の基本を理解する
    1. 1.1.控除の対象となる保険と計算方法
    2. 1.2.新旧控除が混ざった場合の考え方
    3. 1.3.2026年の生命保険料控除拡充について
    4. 1.4.医師特有の保険と控除の可否
  2. 2.保障を最優先し、控除の機会を活かす
    1. 2.1.複数の保険契約の整理と見直し
    2. 2.2.家族名義の保険料の控除も活用する
  3. 3.ライフプランに合わせた控除の戦略的活用術
    1. 3.1.個人年金保険料控除を活用した老後資金準備
    2. 3.2.介護医療保険料控除を活用したリスクへの備え
    3. 3.3.払込保険料が全額戻る「返戻金型」保険の活用
  4. 4.医師が生命保険料控除を最大限活用するための実践例
    1. 4.1.勤務医(年収1,200万円)のケース
    2. 4.2.開業医(所得2,000万円)のケース
  5. 5.生命保険と他の金融商品の比較
    1. 5.1.iDeCo(個人型確定拠出年金)
    2. 5.2.NISA(少額投資非課税制度)
    3. 5.3.小規模企業共済
      1. 5.3.1.生命保険との組み合わせ方
  6. 6.開業医のための生命保険活用戦略(法人化後)
  7. 7.医師の生命保険料控除を賢く活かす


生命保険料控除制度の基本を理解する

生命保険料控除を最大化するためには、まず制度の基本を正しく理解することが不可欠です。控除の対象となる保険と計算方法、さらには医師特有の保険の扱いについて詳しく見ていきましょう。

控除の対象となる保険と計算方法

生命保険料控除は、「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3つの区分に分かれ、それぞれの区分で、支払った保険料に応じて所得から一定額が控除される仕組みです。

利用することで課税所得を減らし、所得税や住民税の負担を軽減できます。

<新制度(平成24年以降に契約した保険)>

新制度の控除額は、3つの区分ごとに、支払った保険料に応じて計算されます。所得税では各区分で最大4万円、住民税では最大2.8万円の控除が受けられ、3つの区分すべてで控除を受ければ、所得税で最大12万円、住民税で最大7万円(2.8万円×3=8.4万円ではない点に注意)の合計控除額となります。

所得税の控除額(各区分の上限):

支払保険料等

控除額

20,000円以下

支払保険料等の全額

20,001円〜40,000円

支払保険料等 × 1/2 + 10,000円

40,001円〜80,000円

支払保険料等 × 1/4 + 20,000円

80,001円~

40,000円

住民税の控除額(各区分の上限):

支払保険料等

控除額

12,000円以下

支払保険料等の全額

12,000円超32,000円以下

支払保険料等 × 1/2 + 6,000円

32,000円超56,000円以下

支払保険料等 × 1/4 + 14,000円

56,000円超

28,000円

<旧制度(平成23年以前に契約した保険)>

旧制度の保険は、一般生命保険と個人年金保険の2つの区分しかありません。

新制度とは計算方法が異なり、所得税では各区分で最大5万円、住民税では各区分で最大3.5万円の控除が可能です。合計控除額は、所得税で最大10万円、住民税で最大7万円となります。

所得税の控除額(各区分の上限):

支払保険料等

控除額

25,000円以下

支払保険料等の全額

25,001円〜50,000円

支払保険料等 × 1/2 + 12,500円

50,001円〜100,000円

支払保険料等 × 1/4 + 25,000円

100,001円~

50,000円

住民税の控除額(各区分の上限):

支払保険料等

控除額

15,000円以下

支払保険料等の全額

15,000円超40,000円以下

支払保険料等 × 1/2 + 7,500円

40,000円超70,000円以下

支払保険料等 × 1/4 + 17,500円

70,000円超

35,000円

新旧控除が混ざった場合の考え方

新制度と旧制度の保険の両方に加入している場合、各区分で最も有利な方法を選択できるため、複数のパターンを計算して比較することが重要です。いくつか事例を紹介します。

【事例1】一般生命保険料での新旧混合

契約状況:

・旧制度の終身保険:年間保険料6万円

・新制度の医療保険:年間保険料3万円

各計算方法の詳細:

1.旧制度のみ適用:6万円→4万円の控除

計算:6万円×1/4+2.5万円=4万円

2.新制度のみ適用:3万円→2.25万円の控除

計算:3万円×1/2+1万円=2.25万円

3.新旧合算適用:9万円→4万円の控除

計算:9万円×1/4+2万円=4.25万円→上限4万円

介護医療保険料控除は新制度で新設された独立した控除区分のため、一般生命保険料控除とは別枠で控除を受けられます。医療保険を一般生命保険料として合算する必要はなく、それぞれ別枠で適用することで総控除額が最大になります。

一般生命保険料として合算すると、9万円→4万円の控除のみとなり、介護医療保険料控除(2.25万円)を失ってしまいます。

つまり、旧制度の医療保険は一般生命保険料控除、新制度の医療保険は介護医療保険料控除を受けるのが最も有利です。

【事例2】個人年金保険料での新旧混合

契約状況:

・旧制度の個人年金:年間保険料3万円

・新制度の個人年金:年間保険料5万円

各計算方法の詳細:

1.旧制度のみ適用:3万円→2.25万円の控除

計算:3万円×1/2+1.25万円=2.25万円

2.新制度のみ適用:5万円→3.5万円の控除

計算:5万円×1/4+2万円=3.25万円

3.新旧合算適用:8万円→4万円の控除

計算:8万円×1/4+2万円=4万円

両方の保険料を合算することで、新制度の上限額(4万円)に到達できる。個別では上限に達しないため、合算が最も控除額が大きくなる。

【事例3】全区分フル活用の場合

契約状況:

・旧制度の終身保険:年間保険料10万円

・新制度の医療保険:年間保険料6万円

・新制度の個人年金:年間保険料8万円

最適な選択の理由:

・一般生命保険料:旧制度で5万円の控除

旧制度は上限5万円で新制度より有利

・介護医療保険料:新制度で4万円の控除

この区分は新制度のみ存在するため選択の余地なし

・個人年金保険料:新制度で4万円の控除

8万円×1/4+2万円=4万円(上限)

旧制度の方が各区分の上限額が高い(5万円 vs 4万円)ため、十分な保険料がある場合は旧制度を優先。新制度独自の「介護医療保険料」区分も併用することで、総控除額を最大化できます。

ただし、合計控除額は上限があるため(所得税12万円、住民税7万円)、計算上13万円になっても実際は12万円が限度となる。

2026年の生命保険料控除拡充について

2026年(令和8年)分の所得税について、23歳未満の扶養親族がいる子育て世帯を対象に、新制度の一般生命保険料控除の上限が4万円から6万円に引き上げられます。

・対象者: 23歳未満の扶養親族がいる納税者(子育て世帯)

・変更内容: 一般生命保険料控除の上限 4万円 → 6万円(2万円アップ)

・適用期間: 2026年分の所得税のみの1年間限定の時限措置 

・注意点: 控除総額の上限(12万円)は据え置きのため、すでに他の控除で上限に達している場合は恩恵を受けられない

・控除額が2万円アップした場合の税軽減効果:

課税所得1,200万円・所得税率33%の医師なら、年間約6,600円の税負担軽減

課税所得800万円・所得税率23%の医師なら、年間約4,600円の税負担軽減

医師特有の保険と控除の可否

医師の皆様が加入する保険の中には、生命保険料控除の対象とならないものもあります。例えば、業務上の事故に備える医師賠償責任保険は、損害保険に分類されるため、生命保険料控除の対象外です。

また、病気やケガで働けなくなった際の収入を補償する所得補償保険も、多くの場合、控除の対象外となります。

また、開業医の方が法人として生命保険に加入する場合、保険料は個人の生命保険料控除ではなく、一部損金として計上できる保険を活用することになります。

保障を最優先し、控除の機会を活かす

生命保険料控除を最大限に活用するための最初のポイントは、必要な保障を最優先に確保した上で、その保障にかかる保険料を効率的に設計することです。

節税はあくまでも付随的なメリットとして捉え、やみくもに控除枠を埋めることを目的とすると、不要な保障に余計な保険料を支払うことになりかねません。医師としてのライフステージの変化に合わせて、保障内容を適切に保つことが最も重要です。

複数の保険契約の整理と見直し

多くの医師は、若手時代に加入した保険や、結婚、開業といったライフイベントのたびに新たな保険に加入しているケースが少なくありません。

勤務医時代と開業医になった後では必要な保障内容も異なるため、見直しを怠ると、いざという時に保障が不足したり、逆に保険料を無駄に支払ったりする可能性があります。

たとえば、若手勤務医のA医師が、死亡保障が手厚い終身保険に加入しており、その保険料だけで「一般生命保険料控除」の上限4万円に達しているとします。

この状態で、さらに別の医療保険に加入しても、その保険料は「介護医療保険料控除」の区分でしか控除されません。

もし、A医師が医療保険にすでに加入していた場合、一般生命保険料控除の枠はすでに満額であるため、医療保険の保険料が控除額の上乗せにはならないという非効率な状態に陥ってしまいます。

一方、B医師が一般生命保険、医療保険、個人年金保険にバランス良く加入している場合を考えてみましょう。

それぞれの区分で控除の上限を意識して保険料を設定すれば、合計で所得税12万円の控除を無理なく受けることができます。

このように、複数の保険契約がある場合は、必要な保障を確保しつつ、それぞれの保険料がどの区分に該当するかを確認し、各区分の控除上限を意識して保険料を調整することが重要です。

また、古い保険契約が旧制度に基づいており、新制度へ移行することでより効率的に控除枠を活用できる可能性もあります。

保険証券や控除証明書を確認し、必要に応じて見直しを検討するとよいでしょう。


家族名義の保険料の控除も活用する

ご家族の生命保険料も、納税者である医師(契約者)が、生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払っていれば、控除の対象となります。

これは、家計の支出として見過ごされがちですが、実は節税に活用できる大きなポイントです。

たとえば、医師の夫と妻がともに高所得の共働き夫婦の場合、どちらが生命保険料を支払うかによって、節税効果が変わってきます。

夫が全員分の保険料を支払えば、夫の所得からまとめて控除されます。一方、夫婦で保険料を分担して支払えば、それぞれが控除を受けられます。

一般的には、所得の高い方が保険料を支払う方が、より高い税率に適用されるため、節税効果は大きくなります。

また、未成年の子どもが加入している学資保険なども、契約者が親であれば控除対象になる場合があります。

控除の対象となるには、契約者が納税者本人であることが原則のため、夫婦で話し合って、誰が契約者・支払者になるかを適切に設計しておくことが重要です。


ライフプランに合わせた控除の戦略的活用術

節税効果を最大化するためには、自身のライフプランと照らし合わせて、必要な保障を確保できる保険を戦略的に選ぶことが不可欠です。

保険契約を単なる保障の手段としてだけでなく、税制上のメリットを活かした資産形成や老後準備の一環として捉えることが、医師にとって非常に重要な視点となります。


個人年金保険料控除を活用した老後資金準備

医師は、退職金制度が充実していないことも多く、老後資金を自身で準備していく必要があります。

そこで有効なのが個人年金保険です。

老後の資金準備と同時に、生命保険料控除の恩恵を受けられます。

個人年金保険の中には、60歳以降から年金形式で受け取るものや、満期一時金として受け取るものなど、さまざまな商品が存在します。

要件を満たす個人年金保険であれば、個人年金保険料控除の対象として、最大4万円(所得税)・2.8万円(住民税)の所得控除が可能です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)、小規模企業共済など、他にも老後資金や資産形成に役立つ金融商品は存在します。

これらの制度も活用することで、より幅広く節税と資産形成を進めることが可能になります。詳細は後の章で詳しく解説します。

老後資金の準備は、早く始めるほど複利効果も期待でき、支出の平準化も図れるため、若いうちから計画的に準備を進めておくことが理想的です。

介護医療保険料控除を活用したリスクへの備え

介護医療保険料控除は、主にケガや病気のリスクに備える保険の保険料が対象となります。医療保険、がん保険、特定疾病保障保険などがこれに該当します。

これらの保険は、入院・手術・通院に対する保障を提供するものであり、特に高額療養費制度ではカバーしきれないような自己負担や、入院に伴う雑費(差額ベッド代など)への備えとして機能します。

さらに、働けない期間の所得減少をカバーする就業不能保険なども、必要に応じて検討する価値があります。

ただし、不要な特約を多く付けすぎると保険料が膨らみ、家計の負担にもなるため、本当に必要な保障に絞り込むことが大切です。特に勤務医で福利厚生制度が充実している場合、公的保険との重複にも注意が必要です。

また、共働き夫婦の場合、夫婦それぞれが自身の医療保険に加入し、それぞれが保険料を支払うことで、夫婦ともに介護医療保険料控除のメリットを享受できます。

夫婦間で保険料の支払いを分担することで、全体として控除枠の活用効率が高まり、より大きな節税効果が期待できます。

払込保険料が全額戻る「返戻金型」保険の活用

 

医療保険やがん保険の中には、一定の年齢になると、それまで支払った保険料総額から受け取った給付金総額を差し引いた金額が受け取れる商品もあります。

こうしたタイプの商品は、支払った保険料の全額が介護医療保険料控除の対象ではありません。しかし、仮に加入期間中、給付金をまったく受け取らなかった場合、それまで払った保険料全額が戻ってきます。控除だけは利用できて、保険料は全額戻ってくることから、長い目で見れば非常にお得な選択肢と言えるでしょう。


医師が生命保険料控除を最大限活用するための実践例


節税効果を実感するには、実際にどのように生命保険を組み合わせて控除を活用すべきか、具体的なモデルケースを見てみましょう。

勤務医(年収1,200万円)のケース

年収1,200万円の勤務医が、以下のような保険に加入しているとします。


・一般生命保険:年間保険料80,000円(終身保険)

・介護医療保険:年間保険料90,000円(がん保険)

・個人年金保険:年間保険料100,000円(個人年金保険)

この場合、いずれの保険も新契約(平成24年1月1日以降)であると仮定すると、次のように各区分の控除額が計算されます。


・一般生命保険料控除:最大40,000円
・介護医療保険料控除:最大40,000円

・個人年金保険料控除:最大40,000円

控除合計額は120,000円となり、所得税率が33%の場合、約39,600円の節税効果が見込めます。住民税でも70,000円の控除が受けられるため、住民税率約10%(均等割りと森林環境税は考慮していません)、つまり7,000円の軽減となり、合わせて約46,600円の節税となります。

開業医(所得2,000万円)のケース

次に、年間所得2,000万円の開業医のケースです。開業医の場合、経費を差し引いた後の所得に対して高率の所得税がかかるため、節税のインパクトがより大きくなります。


・終身保険(一般生命保険):年間保険料100,000円

・がん保険(介護医療保険):年間保険料120,000円

・個人年金保険:年間保険料150,000円

これらの保険料を支払うことで、所得税・住民税合わせて約50,000円以上の節税効果が期待できます。

生命保険と他の金融商品の比較


生命保険料控除は、節税と保障を両立できる有効な手段ですが、他にも税制優遇が受けられる金融商品が存在します。それぞれのメリットとデメリットを理解し、ご自身のライフプランに合わせて最適な組み合わせを検討することが重要です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

自分で掛金を拠出して運用する年金制度がiDeCoです。原則として60歳以降に年金または一時金として受け取れます。

iDeCoの最大のメリットは、掛金全額が所得控除の対象となることです。これは生命保険料控除とは異なり、所得税率が高い医師にとって非常に大きな節税効果をもたらします。さらに、運用によって得られた利益には税金がかかりません。

しかし、デメリットとして、原則60歳まで資金を引き出せないため、急な出費には対応できません。また、運用商品によっては元本割れのリスクがあることも理解しておく必要があります。

NISA(少額投資非課税制度)

NISAは、一定の金額内で購入した金融商品から得られる配当金や分配金、売買益が非課税になる制度です。投資によって得られた利益に税金がかからない点が大きなメリットです。また、

iDeCoとは異なり、必要な時にいつでも資金を引き出すことができるため、流動性が高いのも特徴です。

しかし、掛金は所得控除の対象外であるため、生命保険やiDeCoのような直接的な節税効果はありません。また、運用商品によっては元本割れのリスクがあることも同様です。

小規模企業共済

小規模企業共済は、個人事業主や小規模企業の経営者のための退職金制度です。

iDeCoと同様に、掛金全額が所得控除の対象となるため、高い節税効果が見込めます。ただし、加入資格が個人事業主や法人役員などに限定されている点がデメリットです。

また、原則として解約のタイミングによっては、掛金元本を下回る可能性があるため、慎重に検討する必要があります。

生命保険との組み合わせ方

生命保険で万一の保障を確保しつつ、iDeCoや小規模企業共済で老後資金を準備することで、バランスの取れた資産形成が可能です。

特に高所得の医師は、iDeCoや小規模企業共済の掛金全額控除を最大限に活用し、生命保険料控除の枠も漏れなく埋めることで、最も効率的な節税と資産形成を実現できます。

iDeCoや小規模企業共済、NISAはそれぞれ併用が可能で、生命保険料控除とも併用が可能です。

特に個人事業主の場合、iDeCoは毎月68,000円、小規模企業共済が毎月70,000円まで設定できるため、節税効果は高いといえるでしょう。


開業医のための生命保険活用戦略(法人化後)

開業医が医療法人化を選択することで、税務上の選択肢が広がります。なかでも生命保険の活用は、リスクマネジメントや退職金準備、事業承継対策などに有効です。ただし、2019年7月の税制改正(国税庁通達No.5363およびNo.5364)により、従来のような大幅な節税効果を見込むことは困難となっています。

たとえば、逓増定期保険や養老保険、長期平準定期保険などは、過去には保険料を一定割合損金に算入することで節税を実現できましたが、現在では解約返戻率に応じて資産計上と損金算入の割合が細かく規定され、原則として全額損金算入はできません。

それでも、法人契約による生命保険は、役員退職金の財源準備や事業承継資金の確保、万が一の事業保障など、経営上の安定を図る手段として有効です。特に、退職時期に合わせて解約返戻金がピークとなる設計を行えば、計画的な退職金準備にもつながります。

ただし、これらの保険活用には慎重な判断が求められます。契約内容や経理処理によっては、税務上のリスクを招く可能性もあるため、導入の際は必ず顧問税理士や専門家と連携し、自院の経営状況に適したプランを設計することが重要です。

医師の生命保険料控除を賢く活かす

生命保険料控除は、保障を最優先に考えた上で、賢く活用することが大切です。この制度をうまく利用すれば、将来の安心につながります。

まずは、現在の保障が適切かを点検し、新旧制度の控除上限を意識して支払い方を工夫しましょう。また、iDeCoやNISAといった他の税制優遇制度と組み合わせることで、節税と資産形成を効率的に進めることができます。

特に開業医の方は、法人契約の生命保険を活用した退職金準備など、高度な節税対策も可能です。ただし、専門家と連携して慎重に進めることが重要です。

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※本記事の内容は、作成時点の制度・規制・規約・市況などの情報を基にして作成しております。改正等により記載内容の実施・実行・対応などが行え場合がございますので予めご了承ください。最新情報に基づいた内容などについては、「ご相談・お問い合わせ」ページからご確認いただけますと幸いです。

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