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医師が地方高利回り物件を選ぶ際のチェックリスト

多忙を極める医師のなかには、時間対効果の高い資産形成を探している方もいるのではないでしょうか?


高収入ゆえの税負担を軽減しつつ、将来にわたって安定したキャッシュフローを得る手段として、地方高利回り物件への投資という方法が挙げられます。


医師の社会的信用力を活かした有利な融資と、高い表面利回りは魅力的ですが、空室や遠隔管理の難しさといった特有のリスクを理解しなければ、せっかくの収益を失ってしまう可能性があります。


本記事では、医師が貴重な時間と資金を浪費せず、高い収益性を確保するために、物件選びから融資、運営管理、税務に至るまで、リスクを徹底管理するチェックリストを紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.なぜ医師は地方不動産投資を検討すべきか?
    1. 1.1.医師の属性と不動産投資の親和性
    2. 1.2.地方高利回り物件のメリットとリスク
  2. 2.物件選びの前に医師が確認すべきチェックリスト
    1. 2.1.投資目標と期間の設定
    2. 2.2.医師の信用力で融資を引き出し、実質利回りを計算する
    3. 2.3.投資エリアの初期選定
  3. 3.地方高利回り物件購入時のチェックリスト
    1. 3.1.投資エリアの特性チェック
    2. 3.2.建物・構造チェック
    3. 3.3.法的・行政リスクの確認
    4. 3.4.医師特有のチェック項目
  4. 4.賃貸経営を安定させる管理・運営の確認事項
    1. 4.1.管理会社の選定基準
    2. 4.2.空室対策と入居付けの戦略
    3. 4.3.維持・修繕費用のコントロール
  5. 5.出口戦略と税務・法律チェックリスト
    1. 5.1.出口戦略の再確認
    2. 5.2.税務対策と節税
    3. 5.3.法律・コンプライアンス
  6. 6.まとめ

なぜ医師は地方不動産投資を検討すべきか?

医師が地方不動産投資を検討すべき理由は、大きく属性の優位性と時間の効率化の2つです。


医師の持つ高い信用力は、有利な融資と税務対策を可能にし、地方高利回り物件は、その優位性を活かして多忙な本業と両立できる効率的な資産形成を提供します。


ここでは、その具体的な利点について解説します。


医師の属性と不動産投資の親和性

医師の社会的信用度は、金融機関にとって重要な担保となります。特に地方銀行や信用金庫といった地域金融機関は、安定した専門職である医師に対し、有利な条件での融資(高額、長期間、低金利)を提供しやすい傾向にあります。

この優位性により、自己資金を抑え、効率的にレバレッジをかけることが可能になるでしょう。

医師は高収入であるからこそ、税負担が大きくなります。そのため、税引き後の手取りを確保し、長期的な資産形成を支える安定した第二の収入源(キャッシュフロー)の確保が重要です。

適切な管理体制のもとであれば、高額な物件価格と低い表面利回りの都心物件に比べて、相対的に物件価格が低く利回りが高い地方物件の方が、手元の資金回収が早く、早期に安定したキャッシュフローを生み出す可能性が高くなります。

医師の時間は貴重なので、都心で利回り1〜3%といった水準を追求し、物件の選定に多大な時間を費やす戦略は非効率かもしれません。

代わりに、利回り8%〜10%以上を狙える地方物件を選択し、入居者対応や空室対策に実績を持つ管理体制を構築する方が、時間対効果に優れ、本業との両立が容易になるでしょう。


地方高利回り物件のメリットとリスク


医師にとって、地方物件への投資は、時間と資金を効率的に使うための有効な選択肢となりますが、都心物件にはない特有の課題があるため、慎重な戦略が必要です。


以下に、地方高利回り物件のメリットとリスクをまとめました。


メリット

高い表面利回り

物件価格が低いため、家賃収入に対する利回りが都心物件より高くなりやすく、投資効率を高められます。

初期投資額の抑制

物件の価格が安価なため、自己資金の投入額を抑えやすく、手元資金を残したまま投資を始めやすいです。

減価償却の加速

築年数の古い物件が多い場合、法定耐用年数が短いことから減価償却費を早期に計上でき、節税効果を高められます。

地方銀行からの融資の引き出しやすさ

地域金融機関は、安定した高所得者である医師に対し、地元物件への融資に積極的な傾向があります。

デメリット

空室リスクの増大

人口減少が進む地域や、特定の産業に依存する地域では、入居者確保が難しくなり、空室期間が長期化する懸念があります。

流動性の低さ

買い手が少ないため、売却したいタイミングで希望価格での売却が難しく、売却期間が長期化する可能性があります。

遠隔管理の難しさ

物件が遠方にあると、現地確認や突発的なトラブル対応に時間やコストがかかり、管理体制の構築が不可欠になります。

特定産業への依存

地域経済が特定の企業や工場に依存している場合、その企業が撤退すると地域の賃貸需要が突如崩壊するリスクがあります。

このように、地方高利回り物件はメリット・デメリットどちらもあります。

医師の貴重な時間を守りながら投資を成功させるには、高い利回りだけを見るのではなく、入居者対応や空室対策に実績を持つ信頼できる管理会社を活用した戦略と、それを実現するためのチェックリスト作りが不可欠です。


物件選びの前に医師が確認すべきチェックリスト

物件を見る前に、投資目標、資金調達方法、収益計算の基準など、自身の財務状況を明確にすることが最優先事項です。

この段階で、「どのような投資を目指すのかという基準」「どのように資金調達し、収益を計算するか」という基本事項を決めていきます。

投資目標と期間の設定

医師として多忙をきわめる中で、投資判断に時間をかけられないこともあるでしょう。そのため、物件を探し始める前に、自身の投資目標と期間を明確に設定しておく必要があります。これが、将来的に本業との両立を続けながら、一貫性を持って投資を進めるための指標となります。


特に、利回り(収益性)と安定性のバランス、いつ・どのように利益を確定するか(出口戦略)について、事前に明確な判断基準を持っておくことが重要です。


チェック項目

判断基準

目標利回り vs. 安定性

表面利回り10%以上を狙うか、多少利回りを下げてでも主要駅近を選び安定性を取るか。

キャッシュフロー vs. 資産価値

キャッシュフロー重視(毎月の手残り)か、長期的な資産価値向上(都心近郊)重視か。

出口戦略の明確化

5年後の売却によるキャピタルゲインを狙うのか、長期保有によるインカムゲインを狙うのか。


医師の信用力で融資を引き出し、実質利回りを計算する


医師の属性は融資において大きな優位性となりますが、この優位性を効果的に活用する必要があります。

金融機関の選定では、地方銀行や信用金庫は、地元の物件情報や評価に強く、医師属性への融資実績も多いです。そのため、メガバンクにこだわるのではなく、これらの地元の金融機関に積極的にアプローチすることが重要になります。

また、自己資金比率の決定も融資条件を引き出すポイントです。属性を最大限に活かしてフルローンやオーバーローンを狙うことも可能ですが、リスクヘッジのためにも、物件価格の10%から20%を自己資金として入れることで、より好条件を引き出しやすくなります。

物件の評価においては、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いて評価するDCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)などを用いた収益分析が不可欠です。

見せかけの表面利回り(家賃総額 ÷ 物件価格)だけでなく、以下の運営経費と負債を引いた後の実質利回りと手残りのキャッシュフローを必ず確認してください。

  • 管理費、修繕積立金

  • 固定資産税、都市計画税

  • 火災保険料

  • 空室が生じたことによる損失(5〜15%を計上)

  • ローン返済額

投資エリアの初期選定


地方での不動産投資では、初期段階でのエリア選定が成功を大きく左右します。成功確率を高めるため、マクロなデータを事前に確認し、投資のターゲットエリアを絞り込みましょう。

まず、人口動態の確認は必須です。過去5年間の人口減少率と高齢化率をチェックし、微増または微減に留まっているエリアを選ぶことが重要になります。

次に、その地域が安定した賃貸需要を生み出す要素を持っているかを確認してください。この要素とは、主要な大学、基幹病院、大手企業の工場などであり、それらが将来的に撤退するリスクがないかを分析します。

最後に、賃貸需要の分析として、不動産ポータルサイトで競合物件の築年数、家賃、および空室期間を分析し、ターゲットとする入居者層(単身・ファミリー)を明確にすることが、物件選定の精度を高めるために重要です。

地方高利回り物件購入時のチェックリスト

投資目標や期間、実質利回り、投資エリア選定が終わったら、具体的な物件選定に入ります。


高い表面利回りに惑わされず、「利回りが安定するか」と「将来、大きな費用が発生しないか」という2点を中心に、物件を評価します。


ここでは、エリアの需要、建物の状態、法的リスク、そして医師の時間管理に必要なチェック項目を紹介します。


投資エリアの特性チェック


地方では、生活利便性と車移動の利便性が賃貸需要に直結します。

まず、入居者の動線として、病院、大学、工場といった主要な職場・教育機関へのアクセスが、入居者の通勤・通学動線から外れていないか確認してください。

次に、交通インフラの観点から、最寄りのIC(インターチェンジ)からのアクセスや、主要道路沿いといった車移動の利便性が確保されているかを検証します。

地方では駐車場が必須である場合が多いため、その数が十分かを合わせて確認しましょう。

さらに、ハザードマップ確認も重要です。地方は都心より広い範囲で水害・土砂災害リスクがあるため、自治体のハザードマップで浸水想定区域外であることを確認してください。これは、入居者確保だけでなく、火災保険料にも影響します。

建物・構造チェック

築古物件が多い地方だからこそ、投資用賃貸物件の建物の状態がキャッシュフローを左右します。

まず、築年数と将来の修繕について、築20年以上の物件は、前回の修繕時期と内容を確認してください。今後5年以内に屋根や外壁、給排水管などへの大きな修繕が必要ないか、管理会社などに確認を依頼することも重要です。

次に、設備の状態です。給湯器、エアコンは入居者からクレームが出やすい設備であるため、設置年数と交換費用をあらかじめ見積もりに計上しましょう。

特に給排水管の老朽化は築古物件の最大の費用リスクであり、管の材質(銅管は特に要注意)と修繕履歴を確認し、場合によっては管の専門家に調査を依頼する費用を惜しまないでください。

給排水管の水漏れによる損害は、火災保険の対象になる可能性もありますが、頻繁に事故を起こすと引受けを断られる場合があります。

また、競争力のある仕様を確保することも重要です。地方の賃貸住宅でも、独立洗面台や室内洗濯機置き場、インターネット無料といった設備は、入居付けの強力な要素になります。

法的・行政リスクの確認

地方物件特有の、見落とされがちな落とし穴をチェックします。特に、再建築不可物件の回避は重要です。地方の旧道沿いにある物件は、接道義務を満たさず、火災などで建物を取り壊した場合に再建築できないリスクがあります。

高利回りであっても、このようなリスクを負う価値があるか慎重に判断してください。

また、用途地域と適法性も確認が必要です。現在の建物が、都市計画法上の容積率・建ぺい率を守って建てられているかを必ず確認しましょう。

これは、将来の増改築や売却時のトラブルを防ぐために不可欠です。最後に、固定資産税評価額をチェックします。売買価格が、地域の固定資産税評価額とかけ離れて高すぎないかを検証し、適正な価格かどうかを判断材料にしてください。


医師特有のチェック項目


この項目は、医師の貴重な時間を効率的に使うためのチェックです。

まず、遠隔管理の容易さを確認してください。現地に行かずとも、管理会社とのやり取りや物件状況の確認ができるかが重要です。特に、入居者とのやり取りをITツールで完結させている管理会社を選ぶことが、時間節約のポイントになります。

次に、信頼できるパートナーの有無も確認しましょう。地元の司法書士、税理士、建築士など、物件の運営・管理をサポートしてくれる信頼できる専門家を、管理会社や現地のネットワークから紹介してもらえるかを検証することが望ましいです。


賃貸経営を安定させる管理・運営の確認事項

物件購入後は、収益を安定させる賃貸経営の段階に移ります。ここでは、空室リスクが高い地方物件で継続的にキャッシュフローを生み出すために大切な、管理会社の選定、入居者募集の工夫、および修繕費用の計画的な管理について確認します。

管理会社の選定基準

管理会社は、あなたの賃貸経営を成功に導く重要なパートナーです。地方物件の収益を維持するには、このパートナー選びが決定的な要因となります。

まず、地元密着度と実績を重視しましょう。複数の支店を持つ大手の地方管理会社より、地域に根差した中小の管理会社の方が、オーナーへの報告が密で、迅速な対応をしてくれる場合があります。選定時には平均入居率を聞き、その数字を裏付ける具体的な戦略を尋ねる必要があります。

次に、医師との連携体制について、報告・連絡の頻度と方法(メール、チャット、電話)を確認してください。特に遠方にいるオーナーに対し、月に一度は管理レポートの提出を義務付けましょう。さらに、空室時の対応スピードも重要です。入居者退去後、何日以内にリフォーム見積もりを出し、何日以内に入居付け活動を本格化するか、具体的な期間目標を確認してください。

最後に、費用内訳の明確化を求めます。管理手数料(一般的に家賃の3~8%程度。地方では5%前後が相場)だけでなく、広告料、更新手数料などの費用体系を明確にし、予期せぬ支出を避けましょう。


空室対策と入居付けの戦略


入居者募集の精度を高めるため、まずはペルソナ設定を明確にしましょう。病院の研修医、工場の単身赴任者、地元のファミリー層など、ターゲット入居者が明確であるかを確認してください。そして、その層に響く設備(インターネット無料、宅配ボックスなど)を導入する柔軟性があるかを検討します。

また、家賃設定の柔軟性も空室対策に重要です。管理会社の助言を受け、相場よりもわずかに下げることで、空室期間を短縮する戦略を検討しましょう。さらに、早期リフォームの徹底が必要です。退去後のクリーニングとリフォームを迅速に完了させ、すぐに次の入居付けに移れる体制を管理会社に依頼し、収益機会の損失を防ぎます。

維持・修繕費用のコントロール

維持・修繕費用のコントロールとは、賃貸経営における支出の中でも特に変動しやすい修繕費用を計画的に管理し、不必要な出費を抑えることで、物件の実質的な収益(キャッシュフロー)を安定させる一連の取り組みのことです。

これらを実現するため、修繕積立金の計上として、地方物件であっても、毎月の収支計画には家賃収入の5%から10%を突発的な修繕費用として必ず積み立てましょう。

管理会社に修繕を依頼する際、複数業者からも相見積もりを取得する手順を踏むことで、適正な相場観をつかみ、結果的に実質利回りの低下を防げます。


出口戦略と税務・法律チェックリスト

物件を売却し、収益を確定させる最終段階では、タイミングの見極めと、税務リスクの管理が不可欠です。ここでは、利益をなるべく大きくするための適切な売却時期や節税方法、そして賃貸経営に必須となる、法令遵守に関する確認事項をまとめます。


出口戦略の再確認

売却の適切なタイミングを見極めることは、最終的な収益を最大化するために欠かせない要素です。

一つの目安は、減価償却費が少なくなり、帳簿上の利益が増え始めるタイミングです。税制面では、物件の購入から5年超が経過し、長期譲渡所得の低い税率(約20%)を適用できるタイミングも良い機会といえます。

さらに、購入希望者層の想定も重要です。物件を地元の投資家、または都心在住のサラリーマン大家など、誰に売るかをあらかじめ想定して物件を維持管理しましょう。これにより、売却時に買い手が求める条件を満たしやすくなります。

税務対策と節税

高収入の医師にとって、不動産投資は効果的な節税対策となり得ます。その中核となるのが減価償却の活用です。地方物件によく見られる築22年以上の木造アパートは、法定耐用年数を過ぎているため、4年間で短期集中して多額の減価償却費を計上できます。

これにより、不動産所得を赤字にし、本業の給与所得と損益通算することで、所得税や住民税を大幅に減らすことが可能です。

また、不動産所得の確定申告においては、顧問税理士と連携し、減価償却費だけでなく、旅費交通費、通信費、ローンの金利などを経費として計上するなど、適正な節税対策をしましょう。

この際、単に確定申告ができるだけでなく、不動産特有の税務(法人化、譲渡所得対策など)に精通している不動産投資専門の税理士を選定することが重要です。

法律・コンプライアンス

借地借家法の理解は、賃貸経営のリスク管理をするうえで重要です。

賃貸借契約の更新や、入居者への立ち退き要求は、正当事由がなければ困難です。オーナー自身が法律の基本を理解し、管理会社と連携することで、将来的な法的なトラブルを未然に防ぎましょう。


まとめ

多忙な医師が地方高利回り物件で資産形成を成功させるには、時間の効率化とリスク管理が鍵です。


医師の高い信用力は有利な融資を引き出し、初期投資を抑えつつ8~10%以上の高利回りを狙えますが、人口減少や流動性の低さといった地方特有のリスクが存在します。


成功には、まず目標利回りと出口戦略を明確に設定し、表面利回りではなく実質キャッシュフローを厳密に計算することが大切です。


物件選定では、地域需要の安定性と修繕リスクを徹底チェックしましょう。さらに、入居者対応に実績を持つ管理会社をパートナーとして選定し、減価償却を活かした税務対策を行うことで、本業に集中しながら効率的に資産を拡大できるでしょう。

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