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医師・歯科医師に特化した総合資産管理コンサルティング

ライフイベントから逆算して保険金額を見直す

日々のコンサルティングの中で、開業医の先生方が加入されている保険内容を拝見していると、保険に加入しすぎであったり、長らく見直しができていないことで現状に合った内容になっていなかったりすることがよくあります。 今回は保険を見直す際に知っておきたいポイントをお伝えします。

◆ライフイベント表と今後必要となる資金を比較する

まず、お子様に進学やリタイア時期など、今後予定されるライフイベントを書き出します。 そして、お子様の大学進学費用が1人につき3000万円、結婚資金としてお子様お1人つき500万円ずつ援助して、リタイア後の生活費は公的年金以外に月50万円ほしい…などと、それにかかる費用を書き出していきます。 これをすることによって、今後必要になる金額が見えてきます。 例えば、65歳でリタイアして、それからご夫婦で月50万円の生活をし、90歳まで生きると仮定すると、その生活費だけで1.5億円の準備が必要となる計算です。 その金額と比較して、ご加入されている金額が多すぎるようであれば、不要な保障は解約若しくは払い済とし、保険料の支払いに回していた資金を手元に残し、足元の収支を改善させたり、将来のための資産形成に回したりしたほうが効率的と考えられます。 保険の理想的な形は長方形(生涯同じ保障が続く形)でなく、右肩下がりの三角形(年齢とともに保障を減らしていく形)です。特に、大きな支払いが済んだ時が保険を見直す絶好のタイミングです。保険を契約されてから、お子様の進学など、ある程度の金額を見積もっていたライフイベントが済んでいる方は、大幅な収支改善の可能性がありますので、ぜひこの機会に見直されることをお勧めします。

◆保険と運用は分けて考える

過去には、お宝保険と呼ばれるような運用利率の高い保険も存在していましたが、近年のような史上稀に見る超低金利時代において、保険に運用益を期待することはほとんどできなくなっています。そればかりではなく、一定期間を経過することなく解約する必要が出てきてしまうと、大きく元本割れしてしまう商品も多くあるため、注意が必要です。 近年でも稀に長期加入を前提とした外貨建ての一時払い保険など、運用率の高い保険商品もありますが、個人的には保険で運用することはお勧めしていません。前述の通り、元本割れのリスクの他、その間の運用の機会を逃してしまうことが考えられるためです。 また、貯蓄機能を兼ねた養老タイプの保険は保険料が高いため、掛け捨て型の生命保険を活用して保障を構築されている方も多くいらっしゃるかと思いますが、このタイプの保険は手持ち資金が少ない人には有効な商品ですが、ある程度余裕資金ができたら見直した方が良い保険の1つと考えられています。目安としては、3ヶ月分程度の生活費と医院の運転資金相当の現預金を確保できた段階で、掛け捨ての保険に加入し続ける必要性を再検討されることをお勧めします。

◆現在と将来の保障のバランス

将来の保障を手厚くするために、現在の収支が回らなくなってしまっていたり、ほとんど貯蓄に回せていなかったりするケースもよくお見かけします。例えば退職金や年金目的の保険料に現在の生活が圧迫されているような事例です。 万が一の際に当面の生活費や医院の運営費など、現預金で一時的に支払わなければならない費用が発生する可能性も十分考えられますので、手元の資金にその余裕がないと感じられる方は、まずご自身に必要な保障額を見積もった上で、現在と将来のバランスが取れるよう、保険を見直してみてください。



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