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【開業医】個人事業主(個人クリニック)・医療法人化どちらにすべき?

個人事業主(個人クリニック)が抱えやすい悩みの1つが「自院の医療法人化」です。開業医も1年を経過すると「医療法人」にすることが可能となり、医院の売上や利益率、家族構成、法人化する目的などのさまざまな要素を踏まえて考える必要があります。

そこで当記事では、個人事業主(個人クリニック)と医療法人化それぞれのメリット・デメリットや、医療法人化する場合のチェックポイントなどを紹介します。医療法人化を少しでも悩んでいる個人事業主は、ぜひ参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.【基礎知識】個人事業主(個人クリニック)と医療法人の違い
  2. 2.個人事業主(個人クリニック)のメリット・デメリット
    1. 2.1.メリット
    2. 2.2.デメリット
  3. 3.医療法人化のメリット・デメリット
    1. 3.1.メリット
    2. 3.2.デメリット
  4. 4.場合によっては個人事業主(個人クリニック)でも節税は可能
  5. 5.【注意】医療法人の「出口戦略」の必要性について
  6. 6.医療法人化のチェックポイント
  7. 7.まとめ

【基礎知識】個人事業主(個人クリニック)と医療法人の違い

医療法人化を検討するにあたっては、まず個人事業主(個人クリニック)と医療法人の違いを明確にする必要があります

個人事業主としてクリニックを運営する場合は、法人格を持たず、営利目的での事業展開が認められます。
一方で医療法人は、都道府県知事より認可を受けた上で法人格を獲得した組織であり、公共のために非営利で運営しなければなりません。

一口に「医療法人」と言っても、複数人が集まることで構成される「医療法人社団」と、個人・法人からの寄付金により設立された「医療法人財団」があります。日本に存在する医療法人のほとんどは、医療法人社団です。

個人事業主に課税される税金は「所得税」「住民税」「事業税」の3つがあります。
一方で、医療法人に適用される税金は、「法人税」「地方法人税および住民税」「事業税」の3つです。
個人事業主に適用される所得税は、所得に応じて税率が決まる一方で、法人税は、資本金・所得金額を基準に15.0%〜23.2%が適用されます。

個人事業主(個人クリニック)のメリット・デメリット

個人事業主(個人クリニック)のまま経営を続けるか、医療法人化するのかを検討するには、両者のメリット・デメリットを理解することが重要です。自院が置かれている状況や、運営目的などと照らし合わせ、法人化について判断する必要があります。

まずは、個人事業主のままでいることのメリットを紹介します。

メリット

個人事業主としてクリニックを経営するメリットは、下記の通りです。


経営面

● 自分の意向で経営できる
● 利益の分配が自由

税金面

● 小規模企業共済や経営セーフティ共済への加入が可能
● 法人化と比べて会計・経理が簡単

管理面

● 複雑な事務手続きの少なさ

大きなメリットが、運営上の決定権が基本的に自分に全て委ねられる点です。
自分の意向通りに経営を進められるため、希望するキャリアの形成やワークライフバランスの両立なども実現しやすくなります。

また個人事業主の場合は、事業を通して生まれた利益は自分の収入となり、何に使用するかは自由です。
小規模企業共済や経営セーフティ共済など、小規模事業者向けの保険にも加入でき、掛金を経費として計上可能であるため、節税にもつながります。
1年間の決算を報告する場合、年に1回確定申告書を提出すればよく、法人に比べると負担が小さい点もメリットです。

さらに、法人化した場合と比べて定例的に発生する事務手続きが少ないため、自分の仕事に集中できる環境を整えやすいと言えます。

デメリット

個人事業主のデメリットとしては、下記が挙げられます。

経営面

● 自分への報酬の経費計上が不可能
● 事業承継が進まない可能性

税金面

● 大きな節税が困難

管理面

● 法人と比べた場合の社会的信用度の低さ

法人の場合は自分への報酬も経費として計上できますが、個人事業主はできないため、全額が税金の対象となります。
また将来的に事業承継をする場合、経営権や資産などについてそれぞれの手続きが必要であり、負担が大きくなりやすい傾向です。

個人事業主には累進課税が適用されるため、収入増加に比例して支払う税金が多くなり、大きな節税は難しくなるデメリットもあります

さらに個人事業主は、収入が安定しにくいことから、法人と比べてどうしても信用度が低くなります
ローンを組んだり、物件を借りたりする際には、「個人事業主」という形態が不利になるケースが多くなることは否定できません。

医療法人化のメリット・デメリット

医療法人化すると、経営面や税金面に関してメリットがある一方で、複数のデメリットもあります。
個人事業主と比べて、メリット・デメリットは共に増えるため、両者を比較した上で、自院は法人化するべきなのかを吟味することが大切です。

ここでは、医療法人化のメリット・デメリットを詳しく解説します。

メリット

医療法人化によるメリットは、下記の通りです。

経営面

● 分院展開がスムーズ

● 事業承継が成功する可能性が向上

● 採用力の向上
● 退職金支給が可能

税金面

● 個人事業主よりも安い税率が適用

● 役員報酬などにより給与所得控除が適用

● 所得分散による節税が可能
● 役員退職金の支給に伴う経費計上が可能

信用面

● 社会的信用度の向上

医療法人化する場合の最も大きなメリットとも言えるのが、節税しやすくなる点です。
医療法人化すれば、サラリーマンと同じく給与として報酬が支払われる仕組みとなるため、給与所得控除が適用されます。
また多くの場合、個人事業主よりも税率が低い法人課税が適用され、所得税や住民税は安くなりやすいと言えます。
さらに、家族に自院で働いてもらうことで給料を支払えるため、所得分散も可能です。

将来的に法人を事業承継するのであれば、後継者に経営権や資産を引き継ぐだけで、これまでの屋号などはそのままにでき、事業承継に成功しやすくなるメリットもあります。

さらに医療法人化することで、個人事業主と比べて社会的信用度が高まるため、銀行の融資を受けやすくなるなどの効果も期待できます。
事業展開する際に融資を受けるにあたっても、スムーズに進むようになるでしょう。

デメリット

医療法人化には多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。

経営面

● 事務手続きの増加

● 運営が大変

● 都道府県などによる公的な監視が強化

● 給与が固定
● 事業展開の自由度の低さ

税金面

● 出資金に対する配当が禁止
● 接待交際費の経費計上に上限が存在

法人化の手続き面

● 法人化の手続きが複雑

● 法人登記費用が発生
● 負債の引き継ぎが不可能

医療法人化する上での大きなデメリットと言えるのが、事業報告書の作成や資産総額の登記など、経営にあたっての事務作業が大幅に増加することです。
負担を最小限にしたい場合は、事務を担当してくれる従業員を雇用したり、外部の専門家に依頼したりすることをおすすめします。

さらに、社員総会や理事会なども定期的に開催する義務が発生するため、個人事業主と比べて運営は大変です。
医療法人は展開可能な事業に制限があるため、経営の自由度が低い点もマイナスに働く可能性があります。
医療法人化にあたって借入金は引き継げないため、自分に支払われる報酬の中で返済する必要がある点もデメリットです。

医療法人化を検討する場合は、法人化する目的を明確にした上で、長期的な視点を持つことが大切なポイントだと言えます。

場合によっては個人事業主(個人クリニック)でも節税は可能

インベストメントパートナーズでは、「節税を主目的として法人化を考えられている」という院長先生方のお話を聞くことが多くあります。
しかし、場合によっては個人事業主のままでもまだまだ節税できるケースも見受けられます。


  • 小規模企業共済、確定拠出年金、生命保険料控除、マイホームローン控除…など、公的な制度はフル活用できていますか?
  • 専従者給与や接待交際費、福利厚生費、社用車など、周りのドクターと同程度に経費を出せていますか?
  • 長期的な設備投資計画はお持ちですか?

もし、法人化の主目的が節税で、上記の質問のような個人でも出来ることがまだ残っている方や、先述のチェックポイントで該当する箇所が4つ以下の場合には、あなたにとって法人化は最善の選択肢ではないかもしれません

【注意】医療法人の「出口戦略」の必要性について

2007年4月以降、新たに設立される医療法人は「出資持分の定めのない医療法人」しか認められないことになり、 医療法人の残余財産は法人が解散になれば、国や地方公共団体などに帰属されることになりました。

この変更により、法人に利益を残しすぎない出口戦略が必要になり、継承が難しい可能性が高い場合には医療法人化しないことをおすすめすることも増えました。

さらに、以前であれば法人に多く利益が残るようであれば、とりあえず法人名義で保険に加入しているといった話も聞こえてきていましたが、先述の国税庁通達以降、節税もできて返戻率も高い保険商品はほとんどなくなってしまったため、退職金の準備も単なる税金対策としてではなく、より綿密な計画を立てた上で行う必要性が高まっているのです。

医療法人化のチェックポイント

医療法人化におけるチェックポイントは、下記の7点です。
7つのチェックポイントのうち、当てはまる項目が多いほど、医療法人化によるメリットは大きいと言えます。


(1)税率50%以上(課税所得1,800万円以上)
(2)利益率30%以上
(3)直近で学資やマイホームなどの大きな出費の予定がない
(4)後継者がいる
(5)個人のままでは今以上の所得分散が難しいと言われている
(6)リタイアまで10年以上
(7)利益は上昇傾向にある

例えば、(1)や(2)に該当する方は、個人事業主のままでいると所得税が増えやすいため、法人化による節税効果は大きいでしょう。
(6)や(7)に当てはまる若い世代の方であれば、医療法人化後に大きく資産を形成することもできます。

ただし、法人化した場合は、役員報酬を少なめに設定して法人に資産を残し、その資金を元手に退職金運用などを行うことが一般的です。
現状で手取り収入を下げられない方が法人化してしまうと、メリットを十分に享受できない場合もあるため注意してください。

早めに法人化し、長く経営を続けるほど節税効果は大きいと考えられるケースがありますが、一概にそうとは言えません。
例えば子どもがいる場合、進路が決まって継承の目途が立つまで待ってから法人化したほうが良いケースもあります。
まずは自分の現状や描いている将来を整理した上で、個々の事情に合わせてシミュレーションしてみましょう

まとめ

個人事業主と医療法人は、法人格の有無が大きな違いであり、法人化することで公共のために非営利の活動をすることが求められます。
法人化すると、特に税金面で大きなメリットがある一方で、経営が大変になるなどのデメリットもあるため、両方を踏まえて慎重に検討することが大切です。

なお、「株式会社インベストメントパートナーズ」では、医師に特化した資産形成のコンサルティングを提供しています。
個人事業主のままでいるのか、医療法人化を実施するのかについても現状を踏まえて決断をサポートするため、まずは気軽にご相談ください。

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